愛する猫を亡くした悲しみはどこまでも深く、あたかも体の一部をもぎ取られたような喪失感でいっぱいではないでしょうか。

悲しみはつきることがありません。
大事な家族の一員としてずっと一緒だった猫です。
他の人がなんて言おうと悲しいものはどうしたって悲しいものですから。

だからこそ、いつも癒しを与えてくれた猫ちゃんに「いままでありがとう」と感謝の気持ちを込めて最期の姿を見送ってあげようではありませんか。

今回この記事では、愛する猫が旅立たれてからのご遺体の扱い方、その後の葬儀の準備と供養方法までを詳しくお伝えしていきますね。

愛猫が亡くなってからすぐにやるべき処置

まずはお悔やみを申し上げます。

寿命で天寿まで全うする猫ちゃんもいれば、病気により動物病院で亡くなられる猫ちゃんもいることでしょう。

または交通事故など不慮の事故などで亡くなることもあるかもしれません。

いずれにしても一生懸命生きてきた、かわいい猫ちゃんです。

どんなに悲しくても、心より感謝を伝えてあげてくださいね。

いままで本当にありがとう。

そして、死後硬直が始まってしまいますので、すぐに以下のことをやっていきましょう。

死亡の確認をしましょう

命あるものですので、悲しいですがいつかは終わりがやってきます。
ですが、念のため確認しておきましょう。

本当に亡くなったのかどうかは以下の3点で確認していきます。

  • 呼吸があるのか
  • 脈拍があるのか
  • 光による瞳孔反射があるのか

それぞれの確認方法は、以下の通りになります。

呼吸の停止を確認しましょう

まずは、呼吸が停止しているかを確認していきます。

簡単な方法として、猫の口周りまたは鼻にティッシュを持っていき、そのティッシュが動くかどうかを確認します。

またお腹まわりを目視し、呼吸によってお腹が膨らんだり凹んだりなどの動きがあるか確認しましょう。

お腹周りを目視して呼吸の有無を確認しましょう。

あるいは、鼻や口周りに飼い主自身の耳を近づけて呼吸音を確認するなどのやり方もあります。

これらを総合的にみて呼吸の停止を判断しましょう。

心拍・脈の停止を確認しましょう

心臓が動いているかを確認するため、猫の胸のあたりに直接触れて心臓の動きを感じられるかを確認します。

胸のあたりを触れて心拍の有無を確認しましょう。

毛が多く邪魔をしてしまうなど、脈をうまく読み取れない場合には首元や後ろ足の付け根部分でも読み取れますので確認してみましょう。

いずれも脈動がない場合は、心拍停止と判断されます。

光による瞳孔反射を確認しましょう

光に対する瞳孔反射をみていきましょう。

猫も含めた動物は、生きてる間であれば瞳孔に光が差し込むと網膜への光の量を調整するために瞳孔が閉じます。

逆に暗くなると瞳孔が開きます。

この瞳孔反応を「対光反射機能」といいます。

死亡するとこの対光反射機能が失われます。そのため、光を当てても瞳孔が反応しません。

片目ずつライトを当ててどちらも反応しなければ、瞳孔反射機能が失われていると判断されます。

ペンライトを当てて瞳孔反射を確認しましょう。

そして、以上の3つすべて当てはまれば死亡と判断されます。

適切な姿勢にしましょう

猫は死後30分ほどで死後硬直が始まり、2時間ほどで硬直が終わります。

ですので、死後硬直が始まる30分の間に四肢がペットの棺桶に納まるよう体方向に優しくゆっくり折り込みましょう。

以下の写真のような状態でしたら、体方向に四肢をゆっくり折り込みましょう。

ただし、硬直が進んでしまった場合は無理に曲げると遺体を損傷する可能性があります。その場合は無理に曲げたりせずそのままにしておきましょう。

お身体の手入れをしましょう

やさしく毛並みを揃えます。
体から血液など体液や糞尿がもれだしていたら固く絞った濡れタオルやコットンで拭き取りましょう。
その際、汚れてもよいように下にペットマットや大きめのビニールを敷いて置くと安心です。

目が開いていたら手で閉じてあげましょう。
利き手の親指を目の下に置き、人差し指でまぶたの肉をゆっくり優しく下ろしてあげます。その後も目が開いてしまう場合は硬直が終わるまで2本の指で閉じ続けましょう。

適当な大きさの箱に安置しましょう

あればペット用の棺桶、なければダンボールなどの箱に猫を横たえます。
この際、箱の中には大きめのタオルを敷き詰めておきましょう。

移動の際は遺体が傷ついたり体液が漏れ出さないよう慎重にゆっくりともちあげて箱に収めていきます。

遺体を冷却しましょう

腐敗進行を遅らせるため、とくに腐敗しやすい頭部と腹部を中心に冷却しましょう。

保冷剤、またはドライアイスを使います。

ドライアイスを使用される際は皮膚に直接ふれないようにご注意ください。

皮膚につくと低温やけどの原因となったり、結露ででてきた水滴が遺体に付着して余計腐敗が進みやすくなるので注意しましょう。

葬儀の準備をしましょう

葬儀や供養方法はひとつではありません。

火葬の場合は遺骨をどのようにするのか、土葬の場合は埋葬した土地をこの先どう管理するか、といったことまで考えておくと後々に渡って安心となります。

今回ここでは遺体の取り扱いについて代表的な3つのケースをお話していきます。

  • 民間業者での火葬
  • 自治体で引き取り火葬
  • 自宅の庭に埋葬

それぞれのポイントは以下の通りです。

民間業社で火葬を依頼する場合

一般に猫は犬に比べ小柄な体型になります。

のため土葬することもできなくはありませんが、一般的には公衆衛生の観点から、火葬してからの納骨、または埋葬が基本となります。

ペット霊園や葬儀会社などが所有する火葬施設で火葬する場合は、まずはそちらに連絡をとり火葬してもらいましょう。

この際、連絡するのを1社に限定する必要はありません。
愛する猫を大切に扱ってもらえるように2、3社に当たってその中でしっくりくる場所を選ばれることが大切です。

また火葬はペット霊園や寺院などによる民間施設での火葬の他にも、自宅まで出張してくれる出張火葬サービスもあります。

ですので、どこでどのようにして火葬するかをしっかり考えておきましょう。
自宅で行うメリットもあれば、火葬施設で行うメリットもあります。

依頼方法は大きく2通りです。

ペット霊園などを通して火葬施設で火葬する方法(民間火葬)がひとつあります。

そして、出張火葬サービスまで移動火葬車にきてもらう方法があります。

いずれの場合も、電話またはホームページのお問い合わせフォームで連絡をとりましょう。

その際、値段で決めるのでなく、信頼できる火葬業者であるかを確認しましょう。

自宅や指定場所にきてくれる訪問火葬の場合は注意が必要です。

というのも、訪問火葬業者は火葬施設を持たない分なかには悪質な業者もいないとは言えないからです。
ですので、ホームページの情報だけを鵜呑みにするのではなく、直接電話をかけて応対やペットに対する考えを聞くなど判断していきましょう。

なお、民間火葬業者での火葬プランには大きく以下の3種類があります。

  • 合同火葬
  • 個別一任火葬
  • 立会い火葬

それぞれの特徴をこの後みていきましょう。
そして、どのプランにするかを業者に確認し依頼しましょう。

合同火葬

合同火葬は他のペットと一緒に火葬される形式の火葬プランとなります。骨が一緒くたになります。そのため遺骨の返却がありませんが、その分費用を安く抑えられるプランです。考えようによっては他のペットと一緒になるので寂しくないのでは、と考えられる方に適した火葬プランと言えるでしょう。

個別一任火葬

一頭ずつ個別で火葬してくれる個別一任火葬は、合同火葬に比べると割高になります。しかし、遺骨の返却が可能ですのでその後の供養を個別埋葬や個別納骨を希望する方に適した火葬プランです。なお、告別式(セレモニーとも呼ばれます)はプランよっては執り行ってもらえますが、火葬そのものは火葬業者やペット霊園スタッフなどに一任されます。そのためお骨上げや火葬に立ち会えないので注意しましょう。

立会い火葬

立会い火葬は、火葬に立ち会ってお骨上げをしたり、「ここが喉仏です。」など遺骨の説明を受けられます。その分費用がかかりますがこれまで家族同然の愛するペットであれば検討したい火葬プランです。

これら3つのプランどれが正しい、正しくないはありませんので飼い主の考えが尊重されて良いものです。

また、火葬の際は猫と一緒に入れられるものもあります。事前に用意しておきましょう。
プラスチックや化学繊維などは遺骨に付着するため入れられませんが、猫の好物であったり思い出のおもちゃなど入れられるものがあれば一緒にいれてあげると、猫ちゃんも喜んでくれるかもしれませんね。

自治体で引き取り火葬する場合

自治体での引き取り火葬はクリーンセンターなどでの焼却処分という形になります。

焼却処分ですので、告別式といったお別れのセレモニーはありませんし、「一般廃棄物」として処分され埋められますので、愛するペットと一緒に過ごした猫を引き渡すには心苦しいところもあるかもしれません。ですが、自治体での引き取り火葬は個々人の自由ですのでそれがいけないわけではありません。

なお、一部の自治体では動物専用炉で個別焼却してくれて遺骨の返却も可能です。

申し込みはお住いの自治体のホームページまたは直接電話をするか、担当窓口に問い合わせて引き渡しの日取りを確認しましょう。
場合によっては、予約なしで営業時間内に直接持ち込むこともあります。

自宅の庭に埋葬する場合

費用を抑えたい場合は自宅の庭に埋葬する方法もありますので、これについてお話しておきましょう。

亡骸をそのまま埋める土葬については、ご自身の所有地であれば法律上は埋葬できることになっています。しかし、条例などが制定されていて制限を受けている土地もありますし、また埋葬方法を間違えると動物が掘り起こしてしまったり、腐敗臭や病原菌が外に漏れ出したりなど異臭騒ぎや健康被害による訴訟に発展しかねません。

土葬の際は、動物の掘り起こしや腐敗臭などの漏れ出しに注意が必要です。

また、注意すべきなのは土葬した土地を手放さなくてはならなくなる可能性です。引っ越しや自宅売却などで土地を手放さなければならないことも想定されますので、自宅の庭に埋める前は十分注意しましょう。

土地を手放したあとで掘り返した誰かが人間の骨と勘違いして事件化することもありえます。

あるいは引っ越しなどなくても改築工事や土地の調査のために掘り起こしをすることもありえます。何十年も経ち完全に土と一体になってわからなくなっていればまだ問題はないかもしれませんが、腐敗段階で掘り出されることは衛生上も猫のためにも避けたいところですよね。

ですので、自宅の庭や畑などに埋葬するのであれば、工事による掘り返しがなく、何十年とその家に住み続けることを前提にするのが無難といえるでしょう。

R2 事業再構築 シ-3

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