ペットと同じお墓に入りたい、そのように思われることないでしょうか?

愛するペットと一緒のお墓に入れたら、本当に幸せなことと思います。

では、実際には?

ペットと同じお墓に入るには法律、道徳・倫理の観点で乗り越えるべき問題がありそうですよね。

そこでこの記事では、ペットと一緒に入るお墓についてとことん詳しく解説していきます。

では、さっそく目次に続いてみてきましょう。

いつまでも一緒にいたい!それってできますか?

いつまでも一緒にいたい!

そのくらいに愛してやまないペットが亡くなられたときは、涙があふれて心に大きな穴がぽっかり空いてしまった、そんな虚無感におそわれてしまうもの。

ただ、ペットと同じお墓に入ることに関していえば、ダメとされるケースが一般的です。

なぜでしょう?

それは大きく3つの観点が問題となるからです。

  • 法律上は許されるのか?
  • 倫理・道徳的にどうなのか?
  • まわりの意見は?

まず法律上許されるかどうかということですが、人間のお墓の場合であれば、「墓地、埋葬等に関する法律」という法律に従う必要があります。

そして人間のお墓について明記されているこの法律の記載に従えば法律上の問題をクリアできるのですが、この法律の中ではお墓に入れる人が誰であるかの規定やルールというものがありません。

よって人同士の共墓や共葬に関しては、たとえ血縁関係がない家族であっても同じお墓に入ることができます。苗字が違っても問題ありません。ですがこの際は、お寺の住職などお墓の管理者と、永代使用権者をもつお墓の所有者の同意と承認が必要となってきます。

また個別墓を持たなくても、共同墓に他の方と合祀で遺骨を収める形で埋葬することも可能です。

一方、ペットの場合はどうでしょう?

ペット同士のお墓は合同供養墓という形で他のペットと一緒に埋葬されることがあるように、ペット同士で一緒の同じ墓に入ることが許されています。

では、人間とペットの共同墓についてはどうなのでしょう?

これには2つのケースが考えられますよね。

  1. 人間のお墓に犬の骨など、ペットの遺骨を入れたい場合
  2. ペットのお墓に人間の骨を一緒に入れたい場合

まず1のケースについてです。

人間のお墓に犬の骨など、ペットの遺骨を入れたい場合

先に結論を言いますと、「墓地、埋葬等に関する法律」にはペットなど動物の遺骨を人間の墓にいれてはならないといった記載はないとなります。

また法律の定義上では、ペットは一般廃棄物という扱いになり、人間と一緒のお墓に入れていいのかという問い合わせもありますが、

環境省が昭和52年7月16日に交付した「動物霊園事業に係る廃棄物の定義等について」で、ペットなど動物を定義しています。

よって、この法律と先の「墓地、埋葬等に関する法律」の法律を照らしあわせると人間のお墓にペットの遺骨を埋葬しても問題がないことになります。

そのため法律上はになりますが、ペットとの共墓に対応している霊園、寺院であれば可能となります。ただし、霊園や寺院の規約によって禁止されている墓地では一緒にいれませんのでご注意ください。

ペットのお墓に人間の骨を一緒に入れたい場合

2のケースは、難しいケースであります。

といいますのも、ペットのお墓はペット専用のお墓であるため、人間の遺骨をあとから入れることを想定していないためです。

ただし、敷地の一区画に共墓できるスペースがあるペット霊園も近年では何箇所かあります。そちらであれば、あとからの共葬が可能ですので生前にペットのご遺骨を埋葬し、死後に入れてもらうことを予約されることも検討できます。

またあらかじめペットと共墓できることを謳っている霊園であれば共墓も可能ですので、すでにペット専用霊園に入れられているのであれば、共葬に対応しているか、敷地内に共墓区域があるかどうかを直接お問い合わせくださいね。

なぜペットと同じお墓はダメとされるの?

では、より具体的にみていきましょう。

なぜ法律上問題がなくても、ペットと人間のお墓が一緒ではダメとされるのでしょうか?

そこに大きく関わっているのは仏教での考え方です。

仏教には六道輪廻という教えがあります。その教えによると犬猫にかぎらず人間以外の動物は「畜生」として分類され、人間よりも下位で卑しい存在として扱われます。

また輪廻転生の仏教の考えにおいて、悪行をすると次の生まれ変わりでは「畜生」に生まれ変わるという教えから、一緒のお墓に入れることを倫理上よしとしていません。

ただし勘違いしないでもらいたいのは、そこにペットなど動物と人間の差別意識があるというわけではないということです。六道輪廻の考えが仏教の教えにあるということであって、輪廻転生や「六道(ろくどう:生まれ変わりを繰り返す6つの迷いの世界)」を信じる信じないは個々の考えに委ねられるといってもよいでしょう。

犬猫の骨を人間のお墓に入れていいの?いけないと言われる理由

いま申し上げたように人間のお墓に犬猫などの骨をいれることは、仏教の観点から本来であれば難しいものとなっています。

また、宗教上の問題がなかったとしても、人間の方が動物より上と考える方や昔からの倫理・道徳的な観点から、人と動物を一緒にするなんてと思われる方も少なからずいるはずです。

ただし、近年ではやはりペットも家族の一員という認識が広まっています。室内で飼育されて一緒に過ごす時間が家族と同じようになっているご家庭も多くなっています。そのことから人間とペットの共墓について寛容になりつつもあるようです。

さらには仏教の教えには「死者の供養を行うことで動物もすぐに極楽浄土にいける」という教えの解釈もあることから動物供養を大事になさる寺院も数は多くないですが都内にもあるものです。

とはいえペットを好きでない人も少なからずいることから、一緒に入れるのは共墓を前提とした霊園や寺院のお墓であり、敬虔な仏教寺院などでは受け付けてもらえないことでしょう。

たとえ本人がよくても、すでにお墓に入っているご先祖様やいずれ同じお墓に入るであろう方が全員ペットを好きとは限りませんよね。そのため、宗教・倫理上の観点からよしとされないケースもあるようです。

どうしたら同じお墓に入れるの?

では、どうしたらペットと人間が同じお墓に入ることができるのでしょうか?

そのためにできることは、ひとつではありません。

  • 共墓が可能な民営墓地に入れてもらう
  • 霊園委託の永代供養墓に入れてもらう
  • ペットと一緒にできる樹木葬を検討する

これらをまずは検討されてはいかがでしょう。

共墓が可能な民営墓地に入れてもらう

民営墓地は、民営の霊園や寺院が運営しているお墓になります。
ただし寺院墓地については檀家に制限されることが多く、その使用に制限があります。

またほとんどの民営墓地ではペットと一緒にお墓に入ることが許されていません。

ですが、共墓が許されている墓地では一緒に入ることができます。

なお、人間の遺骨を自宅の庭に埋葬することは「墓地、埋葬等に関わる法律」によって許されていません。そのため、ペットと一緒のお墓に入るためには民営霊園などの決められた区域内で行われる必要があります。

そして一番現実的な方法は、ペットと一緒に入ることが許されているこのような、民営の墓地に入れてもらうことになるでしょう。

かつてはペットと人間を同じ墓地に入れることはタブーとされている風潮でしたが、近年では室内飼いで家族同然に時間を過ごされる方も多くなっていることから、共墓ができる霊園や寺院が増えつつあります。

そのため霊園側の規定・規約に反しない範囲であって、適切に埋葬されるのであれば問題ないといえるからです。

なお日本では、自治体の運営する公営霊園には現状一緒に入ることができません。
そこで民営の霊園で、とくに仏教など宗教の色合いがない寺院や霊園であれば共墓に共葬できるところもあるはずです。

ただし、問題点もあります。それは、親族の誰かひとりでもペットと一緒のお墓にはいるのを認めず拒否する場合は、納骨や埋葬が許されている箇所でもペットの遺骨を入れることができないということです。

その場合は、次の方法になります。

霊園委託の永代供養墓に入れてもらう

ご遺族全員が入るお墓ではなく、個人や夫婦など決められた人だけが入りその後の供養をしてもらえるといった、ペットと一緒に入れる永代供養墓があります。

そちらであれば、親族の意向に関わらず一緒に入ることができますので検討されるとよいでしょう。

ペットと一緒に埋葬できる樹木葬を検討する

もう一つの方法は樹木葬です。

樹木葬は文字通り、樹木の下に埋葬する方法のことでペットの遺骨を、樹木を墓標がわりとして埋葬してもらえるもの

人間の遺骨も同様に埋葬することもできますし、樹木葬であれば他の親族が一緒に入る一般墓と違って個人墓として埋葬できる利点があります。

ただし樹木葬をできるのは人間の遺骨の場合であれば、とくに霊園内など決められた場所での埋葬となるものです。そして、ペットと一緒に埋葬できずに同じ霊園墓地内の隣接する区域に埋葬という形になる場合もあります。

いずれにせよ、お墓の代わりに樹木を墓標とする樹木葬は自然葬の一つとして正式に認められているものであり、墓石のお墓を建てるよりも費用を抑えられますので選択肢のひとつにされてはいかがでしょう。

ペットのお墓以外の一緒にいる方法

では、ペットのお墓以外で一緒にいる方法はあるのでしょうか?

それには以下をご検討ください。

  • 散骨
  • 埋葬
  • 手元供養
  • 自宅墓地
  • 納骨堂

それぞれ解説していきますね。

散骨

散骨はパウダー状にした遺骨を海や山に撒くことをいいます。こちらは人間の散骨とペットなど動物の散骨に対応しています。

墓標はありませんが海はひとつに繋がっているので、海洋散骨であれば同じ自然の中に還ったということもできるでしょう。

ただし、ペットと人間の遺骨を同時に散骨してくれるかどうかは散骨代行業者によりますので、まずはお問い合わせをして確認していきましょう。

また、遺骨を勝手にまくことはトラブルや民事訴訟に発展するものですので、法律や条例などを遵守して適切におこなうようにしていきましょう。

手元供養

手元供養は、ペットまたは人間の遺骨をそのまま自宅に安置するご供養法です。

具体的には、ペット仏壇を用意してそこに線香やおりんなどのペット仏具を供えてご供養していきます。

なお、人間と同じ仏壇でペットの遺骨を安置してもよいのかというと、一般的にはよしとされていません。

その理由は先に紹介した、仏教の考えで犬猫など動物を「畜生」と人間より下位の存在と位置付けているためです。

自宅墓地

自宅の庭に埋葬することはできるのでしょうか?

人間はできません。「墓地、埋葬等に関する法律」によって埋葬できる場所が墓地などに限られているからです。

ですがペットであれば適切な方法である限り、自宅の庭に墓地を作って埋葬できます。ただしアパートやマンションなど本人が所有している土地以外では管理者の許可が必要であって、原則禁止されています。

地域によっては埋葬そのものを禁止しているところもありますので事前にご確認ください。

以上のように自宅の庭や畑に埋葬する自宅埋葬は、埋葬できるのがペットだけに限定されるため、人間と同じお墓に入ることはできません。ですが、生きている間同じ家のそばにいる形として安心できるものと言えるかもしれませんね。

ただし、自宅の庭であったとしてもそのご引越しなどで土地を手放さなければならないケースや、工事による地面の掘り返しなどもありますので、その点も事前に念頭に入れておくとよいでしょう。

2種類の埋葬(遺骨埋葬、土葬)

先ほど紹介した自宅の庭への埋葬など、埋葬には、火葬後の遺骨を土の中に収める「遺骨埋葬」と亡骸のまま土に埋める「土葬」の2種類があります。

このうち、亡骸のまま土に埋める土葬について、人間の場合、日本国内で行うのは法律上できなくありません。ですが難しい現実もあります。土葬のためには、自治体によって土葬禁止されていない土葬可能区域にて、かつ土葬許可証が必要になるなど容易ではないからです。

ですので、人間の遺骨を埋葬するとなれば火葬後の遺骨の状態で、ということになります。また埋葬箇所も霊園や寺院の墓地など決められた場所に指定される形となるものです。

ペットの場合は、土葬は自宅の庭であれば可能ではありますが、動物の掘り返しや腐敗臭や病原菌の漏れ出しの恐れもあるため、大型のペットであれば基本は火葬後の遺骨埋葬がオススメです。

ただし、ハムスターなど小動物であればプランター葬といわれる、プランターに埋葬する方法も対応できます。

納骨堂

納骨堂は、ペット霊園などが所有するお堂に遺骨を骨壷に入れて安置する納骨方法です。

納骨堂にはロッカー式と納骨棚式の2種類があり、場所を借りてペットの遺骨を骨壷に入れて骨壷のまま安置する形の納骨方法です。

ペットの遺骨であればご自宅に遺骨を手元供養の形で置けない場合や、自宅の庭に墓地埋葬できない場合、ペット霊園や寺院の墓地に埋葬できないときに考えてみたい納骨の形となっています。

お墓の手作りについて

できればペットのお墓を手作りしたいと思われる方もいらっしゃることでしょう。

ペットのお墓は自宅(自分の所有地)であれば建てられます。

ただし、ペットのお墓を立てた場合はその後引っ越しなどで移動するには掘り返しとなりますし、
火葬せずに土葬として亡骸を地面に埋める場合は、腐敗臭や病原菌が外に漏れ出さないように穴を深く掘り特段の注意が必要となります。

ペットのお墓の費用、相場、内訳、注意点

では、ペットのお墓の費用はどのようになっているのでしょうか?

一緒に入れるお墓の場合は永代供養墓にするか、それともそれとも民営霊園の墓にするかによって費用がかわってきます。

また期間契約であればその期間よって費用が異なってきます。

すでにお墓があれば費用を抑えられますが、お墓から用意するとなれば墓石代に30万円〜250万円程度、それ以外に墓石の名入れ彫刻、年間管理料などが追加でかかってきます。

ですので購入前に、事前に霊園側に相場と内訳を確認するようにしましょう。

また、ペットと同じ霊園内の別の区域で埋葬される場合であれば、ペットだけで永代供養料が2万円前後〜となっております。そのほかに、ペットのお墓として墓石代や管理費用、名入れ彫刻費用などが別途かかってきます。

とくに個別埋葬であれば、合同埋葬に比べて費用が高くなりますので、ご注意ください。

個別埋葬とする場合は、ペットの火葬方法が、個別一任火葬または立会い火葬である必要があります。合同火葬では他のペットの遺骨と混じってしまうため、個別埋葬できませんのでご注意ください。

あるいは合同供養塔など合祀墓をご検討であれば、管理料込みで1万円から受け付けてくれるところもあります。

人間と同じ敷地内という意味であれば、個別墓でも合祀墓でもどちらでも構いません。

費用とご相談のうえご検討ください。

樹木葬の場合には、その種類によって相場が異なってきます。

遺骨を埋葬したあとに樹木を植樹するタイプの樹木葬であれば、相場は50万円前後です。

一方、すでに植えられている樹木の周りにペットの遺骨を埋葬するタイプの樹木葬であれば、相場は30万円前後となります。こちらも個別に埋葬される形でありますので、予算と相談して選ばれるとよいでしょう。

また、樹木葬の場合もペットの名前プレートを作製するのであればその料金や、埋葬料などがかかることもあります。

一緒のお墓の場合は、それぞれいくらがかかるのかその相場や内訳を明細で出してもらうようにしましょう。

一緒のお墓に入れなかったとしてもできるペットのお墓参りや日常ご供養

一緒のお墓に入りたくても周りの反対で一緒のお墓に入れないこともあるでしょう。

あるいは金銭的事情などで諦めざるえないこともあるかと思います。

その場合は、必ずしも一緒に入ることだけでなく、心のつながりとして一緒になるということを検討されてはいかがでしょうか?

そのためにできるのが、ペットのご供養というものです。

生きている間にお墓参りや日常供養を通して、心のつながりを保ち続けること、それが一緒にいるという安心感につながるものと思います。

R2 事業再構築 シ-3

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